ptoutput’s diary

リハビリに関しての知識の共有やアウトプットをしていこうと思っています!

運動のプログラム

こんにちは!

今日もやんわりとアウトプットしていきます。

 

前回は運動学習のタイプや段階について

書かせていただきました。

今回は、運動を実行するための流れを

ざっくりと書いていこうと思います。

 

では早速、、、

 

私たちは、近くのものに手を伸ばしたり、

いろんな道を歩いたりといちいち真剣に

考えなくても無意識に運動が行えています。

それは、今まで生活してきた中で繰り返し

行われてきたことにより、脳や体に

手続き記憶として刻み込まれているからです。

 

ちなみに、前回の記事の内容でもある、

運動学習の段階でいう最終段階の

後期自律段階(自動化段階)にあたります。

 

そもそも運動学習には

順序学習:強化学習

適応学習

 があります。

 

①順序学習:強化学習とは

 ・大脳皮質と大脳基底核との相互作用に

  より学習される

 ・記憶に基づいて学習の順序を学ぶ

 ・報酬に基づいて学習を強化する

 

ex)普段50mしか歩けないが今日は60m歩けた!

  それに対し、「いつもより10mも多く

  歩けましたね!!すごい!」と

  褒める(この褒めが報酬)ことで、

     次も頑張ってみようという"快"の

     記憶として残り、次に同じ運動を行う際に

     以前褒められた(報酬を受け取った)

     記憶から、よし!!頑張るぞ!という

     強化学習の促進に繋がる。

 

 記憶の種類としては"エピソード記憶"

    当てはまる。

 エピソード記憶とは

 →出来事や個人的な体験(思い出)

 

 先ほどの例でいうと、

 「昨日褒められた」という、体験の記憶。

 

②適応学習とは

 ・大脳皮質と小脳との相互作用に

       よって学習される

 ・身体と外界の適応を図る

 ・道具を使った運動

 

ex)歩く、自転車に乗るなどの手続き記憶に

     関与するもの

 

 手続き記憶とは

 →技能や一連の動作に関する記憶

  いわゆる「体が覚えている」状態なので

       無意識に行える

 

 

では、そもそも、運動を行う際には

どういうメカニズムで運動を

実行しているのでしょうか?

 

 

 

 

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運動系の機能的構造(1974年、当時の知識の基づいたアレン・塚原のモデル) 1)

「目の前にあるビールを飲む」

これを例に挙げてみていきます。

 

上図でいう"観念"とは、

「ビールを飲みたい!」という気持ち。

 

その気持ちが"連合野"に伝わり、そこから"大脳基底核""小脳(外側部)"を介して運動のプラン・プランニングした後、"運動野"から運動指令が脊髄を通して筋骨格系に送られ、運動を実行する。という流れになります。

 

ここでの大脳基底核の役割は、

どういう運動を行うかを選択する

ex)ビールを飲むためには、手を伸ばして

     取るか?体を近づけるべきか?など

  どれが一番良いかを選択する

 

また、小脳(外側部)の役割は、

運動パターンの準備を行う

ex)ビールまではこのくらいの距離で大きさと

  重さはこれくらいだからこれくらいの力で

     やってみようという予測した準備

 

これらで運動をプラン・プランニングしたものが運動野に伝達され、運動指令が脊髄を

通して筋骨格系に送られることで

ビールを飲むために、「ビールまで手を伸ばして口元まで運ぶ」という

運動が実行され、大好きなビールを飲むことができます。

 

ちなみに、

プラン plan :計画

プランニング planning:計画を立てること

 

 

しかし、上図では"小脳(中間部)"というものが記載されています。

これは、ビールまで手を伸ばした際に、

体幹が伸びてこなかったから届かない!

ということがフィードバックされ、

なら、もう少し手を伸ばそう!と

運動の修正を行うものです。

 

また上図の少し細かいバージョンがこちら。

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連合野から、大脳基底核・小脳でプラン・プランニングし、被蓋核や赤核に伝達され、運動を実行しろ。という命令がなされる。

 

しかしここでは、大脳基底核と小脳との間に"視床"が存在しています。

この視床の役割は、大脳基底核や小脳でプラン・プランニングしたものに対し

あらかじめこうなるだろうと予測し「ほんまにそれでええんか?もっかい考えてみ?」と運動の微調整を行ってくれます。

その微調整を行い、運動野に伝達され、運動を実行するという流れです。

 

いわゆる、フィードフォワード制御が行われているということ。

 

このフィードバックやフィードフォワードは運動学習を行う上で重要。

ざっくりですが、用語説明をしておきます。

 

フィードバック制御

→間違えた分だけ修正

 この方法では、時間が間に合わずフィードフォワード制御が必要になる

 

フィードフォワード制御

→あらかじめ目的とする運動に必要な運動指令を脳内で計算する

 

フィードバックのみでも運動は可能であるが、速くて滑らかな運動は行えない。そこで、運動に見合った運動指令を出力する”内部モデル”を学習によって小脳に形成する。

 

このモデルを含む図がこの下図

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道免の運動学習とリハビリテーションから引用したもの 2)

 

この内部モデルに関しては、次回アウトプットしていこうと思います。

 

話がうまくまとまらず、わかりにくい内容ですいません。

最後まで読んで頂きありがとうございました!!

 

 

参考書

1)中村隆一,齋藤宏,長崎浩 著:基礎運動学 第6版補訂 P149-150

2)道免和久:運動学習とリハビリテーション バイオメカニズム学会誌,Vol25,No4