ptoutput’s diary

リハビリに関しての知識の共有やアウトプットをしていこうと思っています!

記憶の分類

 

 最近、仕事で頼まれたことをすぐに忘れてしまったり、昔のことを思い出すのに時間がかかったりと、脳が老化してきてるのかと不安になる今日この頃の私です笑笑

 

 そんなことを思ってるときにふと、"記憶"について復習しようと思い今日のテーマを"記憶"にしてアウトプットしていこうと思います!

 

では、早速!!

 

そもそも"記憶 memory"とは?

「過去に体験したことや覚えたことを忘れずに心にとめておくこと」

(goo辞書から引用)

 

その記憶は主に海馬 hippocampusという大脳辺縁系が重要な役割を果たしています。

 

また、記憶にも様々な種類があります。

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記憶はまず、記憶の保持時間によって

短期記憶長期記憶に分けられます。

 

短期記憶とは、数十秒・数分など短い期間だけの記憶。

 

ちなみに"感覚記憶"という、短期記憶よりさらに短い記憶があります。

この記憶は、【視覚(目)】【聴覚(耳)】【嗅覚(鼻)】【味覚(舌)】【触覚(皮膚・筋肉など)】などの感覚器から得た情報をとりあえずそのまま数秒間だけ覚えている記憶。

なのですぐに忘れてしまいます。

 

短期記憶にはワーキングメモリというものがあります。

 

ワーキングメモリ

・情報を一時的に保持し、意識的に操作する

 ことができる記憶。

 

Ex)通販番組で見た商品をメモする

  買い物で支払うときにその金額を見て

  財布からお金を出すときの記憶

  電話番号を覚える etc...

 

脳の責任領域は前頭連合野

 

この短期記憶が海馬に保持されると、大脳辺縁系で海馬の先っちょにある扁桃体

『快』or『不快』 『好き』or『嫌い』

などの判断を行い、喜怒哀楽などの感情が

生まれます。

 

このような反応を"情動"といいますが、

この情動をコントロールしているのが

扁桃体なのです。

下図参照↓

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青い部分:海馬

ピンクの部分:海馬体

その先っちょ:扁桃体

 

ここで情動が大きいと、大脳皮質へと送られ

長期記憶になっていきます。

 

長期記憶は、陳述記憶非陳述記憶に大別されます。

 

さらに陳述記憶には、

意味記憶エピソード記憶があります。

 

意味記憶

・一般的な知識に関する記憶。

 

Ex)りんごは赤い

      1192作ろう鎌倉幕府

    富士山は日本一高い山 etc...

 

脳の責任領域は海馬・大脳皮質など。

 

 

エピソード記憶

・『いつ、どこで、何をした』という

 個人的な体験や出来事。

 思い出。

 

Ex)昨日の晩御飯の麻婆豆腐美味しかったな

     去年の今頃は沖縄に旅行に行ってたな

  etc...

 

脳の責任領域は海馬・大脳皮質など。

 

次に非陳述記憶には、

手続き記憶・プライミング・条件付け

があります。

 

 

手続き記憶

・動作や行為における技能など繰り返すことで

『体で覚えた』記憶。

 

Ex)自転車の乗り方

   歩行  etc...

 

脳の責任領域は小脳など。

 

 

ライミング

・前に入力された情報が、その後の情報に

 影響を与える記憶。

 

Ex)この文章を読んでみてください。↓↓

 『最近、マンチカンが可愛くて携帯や

  ネットでマンチカンの動画を調べて

  マンカチンを飼いたいと思った。』

 

 

何か違和感はありませんか?

実は、最後の『マンチカン』という字が

『マンカチン』となっているんです。

 

大体の方は最後の文章も『マンチカン』と

読んでいたんじゃないですか?

 

 

これは、前に入力された情報(マンチカンという情報)が記憶されてその後の文章にもこの記憶が入力されているから、字が入れ替わっててもそのまま読んでしまうんです。

 

なんか面白いですよね笑笑

 

 

最後に条件付け

・特定の刺激に対して無意識に反応してしまうようにする学習方法。

 

 

Ex)梅干しを見ると唾液がでる

  パブロフの犬    etc...

 

 

 

以上、記憶にもたくさんの種類があるんですね!!

 

臨床でも、この患者さんはどの記憶が障害されてるのかな?

短期記憶が曖昧やけど手続き記憶はあるな。

なら、残存している手続き記憶に対してアプローチしていこう。

脳画像を見て、海馬や前頭連合野が萎縮してないかな?

などなどを考えて介入できれば、認知症や記憶障害の方に対する

アプローチの幅が広がっていくのかなと思います。

 

 

今回も最後まで読んで頂き

ありがとうございました!!

 

参考書

 

1)病気がみえる Vol.7 脳・神経 P35-36