圧迫骨折②
こんにちわ!
前回は、圧迫骨折の原因や受傷機転について
書かせていただきました!
今回は、圧迫骨折に対する治療について
やんわりアウトプットしていこうと思います!
では、早速、、
他の疾患でもいえることですが、受傷してからの治療手段としては主に"保存療法"と"手術療法"の2つに分けられます。
まず、保存療法としては、
・消炎鎮痛剤(薬物療法)
・骨粗鬆症の治療(薬やフォルテオ注射)
・コルセットの装着
・腹筋、背筋群の筋力強化
・腰背部、腸腰筋やハムストリングスのストレッチ etc...
などの方法があります!
手術療法としては、
・後方椎体間固定術(PLIF)
・経皮的椎体形成術(PVP)
・バルーン椎体形成術(BKP)
などの方法があります!
ほとんどの場合は保存療法から開始しコルセットによる外固定で椎体の安静を図り、薬物療法で骨粗鬆症に対する治療を行なっていきます。
腰背部の痛みが治まり、ある程度動けるようになれば、少しずつ起き上がり、筋力トレーニングやストレッチ、バランス練習や歩行練習などのリハビリを行なっていきます。
下肢のしびれや疼痛がひどく、保存療法で改善されない場合は、PLIF,PVP,BKPなどの手術療法を行うことがあります。
術後も疼痛の状況をみながら、リハビリを行っていきます。。
圧迫骨折の発症から手術までの流れはざっとこんな感じです。
では、安静中の"薬物療法"ではどのような薬を使用しているのか見ていきましょう。
①消炎鎮痛剤
NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)
・体内で炎症などを引き起こすプロスタグランジンの生成を抑え、炎症や痛みなどを抑え、熱を下げる薬
副作用
・腹痛、吐き気、食欲不振、消化性潰瘍 etc...
・末梢血管の拡張により発汗を伴う解熱と視床と大脳皮質の痛覚閾値の上昇により、熱を下げ、痛みを緩和する薬
副作用
・過敏症(発疹)、吐き気、食欲不振、出血時間の延長 etc...
ちなみに、、、
他の一般的な商品としては、
・臨床現場で広く使用されているNSAIDsのひとつ
・1日80-200mg前後で使用される場合は、血流をよくする目的が多い
②骨粗鬆症治療
活性化ビタミンD1)
・小腸、副甲状腺、腎臓、骨、筋肉などに作用し、腸管でのカルシウムとリンの能動的吸収を促す
・骨粗鬆症に対するホルモン。日本では、閉経後の骨粗鬆症患者に選択的エストロゲン受容体モジュレーター(閉経後2年以上の骨粗鬆症患者で既存骨折の有無に関わらず新規骨折を有意に減少させ、椎体骨折抑制効果を示している。)が使用されている。
フォルテオ注射
・骨を作る細胞(骨芽細胞)の機能を活性化し、骨をつくる過程である骨形成を促進させることで骨粗鬆症による骨折などの危険性を低下させる
普段、薬局でみるものや聞いたことのあるものも使用されているんですね!
では、次は、"手術療法"について
先ほども3つの術式について記載しましたが、
近年よく行われる術式は
バルーン椎体形成術(BKP)です。
この術式は、
椎体内に風船を挿入し、潰れた椎体内を整えてからセメントを注入
する方法です。
風船を使用することで、椎体外、血管内、脊柱管内へのセメントの分散や誤注入がなくなり、安全性が高くなります。
また、手術での大きな切開はなく、針を通すために背中の2か所を数ミリ切る程度で術創部は小さいため、高齢者への負担が少ない方法になります。
ほかにも、
経皮的椎体形成術(PVP)
・2椎間以内の比較的経度の圧迫骨折に用いられる手術法
潰れた椎骨をセメントで整復する方法
後方椎体間固定術(PLIF)
・3椎間以上の圧迫骨折で用いられる手術法
左右もしくは両側の椎間関節を切除し、椎間板を摘出します。そこにケージという人工物を挿入し圧迫を解消し、ネジとロッドで骨を固定する方法
などを行う場合もあります。
手術を行う際は、できるだけ身体への負担が少ない術式のほうが、術後の経過も良好になるのではないかと思います。
ということで、今回はここまで!
次回は、圧迫骨折の保存療法の続きで、腹筋・背筋群の筋力トレーニングやストレッチ方法などをアウトレットしていこうと思います。
今回も最後まで読んで頂き
ありがとうございました!!
参考文献
1)西田憲記,久寿米木亮,坂本祐史:骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折に対する治療 -保存的治療からBKPまで-