ptoutput’s diary

リハビリに関しての知識の共有やアウトプットをしていこうと思っています!

痛みの発生メカニズム

こんにちわ!

前回は"痛みの種類"についてアウトプットさせて頂きました。

復習になりますが、痛みの種類には

①侵害受容性疼痛

神経因性疼痛

心因性疼痛

に分類され、さまざまな刺激や神経系の損傷により生じるとお伝えしました。

では、その痛みを発生させる受容器やメカニズムは何なんでしょうか?

ということで、今回はその続きで"痛みの発生メカニズム"についてアウトプットしていきます。

 

では、早速、、、

 

以前にも出てきた、機械的刺激熱刺激化学的刺激などの侵害刺激。

これらを受け取る痛覚受容器は

①高閾値機械受容器

②高閾値熱受容器

③ポリモーダル受容器

の3種類があります。

 

特にポリモーダル受容器はよく聞くワードではないでしょうか?

では、それぞれみていきます。

 

①高閾値機械受容器

(high threshold mechano receptor)

 

・強力な機械的侵害刺激(転倒や捻挫などに痛みを引き起こす刺激)に反応し、刺激が強くなるほどその興奮性が高まる

・早くて識別性の高い一次痛に関与する受容器

・生体に逃避反射を引き起こす

Aδ線維により脊髄後角まで伝達

 

②高閾値熱受容器

熱刺激により反応

・火傷後の痛みの増強に関与している可能性も考えられる

Aδ線維により脊髄後角まで伝達

 

③ポリモーダル受容器

(polymodal receptor)

・多くの(poly)様式(mode)の刺激に反応する受容器

機械的刺激、化学刺激、熱刺激のいずれにも反応

皮膚筋膜靭帯関節包内臓血管など全身に広く分布

・少し遅れて反応する鈍くて識別性の悪い二次痛に関与

 

ポリモーダル受容器の特徴

侵害的な刺激を同じ強度で同じ部位に繰り返すと

閾値の低下

②刺激に対する反応性の増加

③受容野の拡大

④自発放電の増大

などを特徴とした感作を生じる。

 

どういうことかというと、

捻挫をした直後はまだ荷重をかけれるほどの痛みでも時間経過に伴い自発痛が大きくなり荷重できないほどの痛みに変わっていくこと。

 

ちなみに”感作”とは

繰り返される刺激により、それに対しての反応が徐々に増大していくものといわれています。

これらの受容器が反応することでさまざまな痛みが生じているんですね。

 

では、次に痛みの伝導路について説明します。

痛みの伝導路には外側系(感覚系)内側系(情動・認知系)があります。

 

外側系の伝導路は

受容器からの刺激→脊髄後角→白交連を通って交叉→反対側側索を上行→視床(後腹側核VP、後核群PO)→体性感覚野

となっています。

この伝導路を外側脊髄視床といいます。

この伝導路は一次痛の伝達経路であり、主に温痛覚の経路となっています。

また痛みの「感覚-識別」に関わる情報を伝達します。

痛みの「感覚-識別」とは、痛みの部位強度持続性など痛みの種類を識別します。

 

次に

内側系の伝導路は

受容器からの刺激→脊髄後角→白交連を通って交叉→反対側側索を上行→視床(内側下核SM、中心外側核CL(MD核を覆うように存在している))→島、扁桃体、海馬、前頭前野など

となっています。

この伝導路を内側脊髄視床といいます。

 この伝導路は二次痛の伝達経路であり、身体にとっての痛みの意味「情動」「認知」の情報を伝達します。

また、大脳辺縁系に作用することから、痛みに伴うイライラ感や恐怖、不安感などの不快感を引き起こし、血圧上昇頻脈などの症状を引き起こすこともあります。

 

上記2つの経路を下図に示します。

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 理学療法ハンドブック参照

 

痛みにより身体的・精神的なところまで影響を及ぼすと考えると痛みのメカニズムを把握することはとても重要なことではないかと思います。

 

今回も最後まで読んで頂き

ありがとうございました!!

次回は今回の記事に何度か記載した

"一次痛"と"二次痛"についてアウトプットしていきます。

 

参考書

細田多穂、柳澤健編集:理学療法ハンドブック 改定第4版 第1巻 理学療法の基礎と評価

・野村嶬編集:標準理学療法学・作業療法学 解剖学 第3版