距腿関節(足関節)の運動・解剖
こんにちわ!
今日もやんわりアウトプットしていきます!
今回は距腿関節の運動軸や靭帯の解剖についてです!
では、早速、、、
"距腿関節"、いわゆる"足関節"
教科書や臨床上でどちらも使われており、え、同じ関節?違う関節?と思ったことがある方もいるかもしれません。
これら2つは同じ関節と思ってもらって構いません。
強いて言うなら、"距腿関節"は
脛骨・腓骨・距骨で構成されている関節
"足関節"は脛腓関節・距腿関節・距骨下関節を含む、複合関節と捉えられています。
細かく見ていくなら上記は覚えていても
良いかと思いますが、普段の臨床では、
距腿関節=足関節
と捉えて良いと思います。
距腿関節の主な動きとしては、
背屈と底屈であり
運動自由度1度の関節です。
距腿関節は後方からみると、
内果より外果のほうが下方に位置しているため
回転軸はわずかにずれています(約10°)。
また、上方から見ると
回転軸は6°ほどずれています。
これらのように、回転軸がわずかにずれているため、
背屈時は
わずかな外転と外がえしを伴い
底屈時は
わずかな内転と内がえしを伴います
ですので、足関節のROMを行う際に
ただただ、背屈方向に動かすのではなく
わずかに外反方向に誘導していくのを
頭の片隅に置いておいても良いと思います。
次に背屈・底屈時の距骨の動きや靭帯についてざっくり見ていきます。
背屈時には
・距骨は下腿に対し、
前方に転がり、後方に滑る
・この動きに伴い踵腓靭帯が緊張
・背屈中は側副靭帯は強く緊張
・最大背屈は後部関節包とアキレス腱などの底
屈に関与する組織を伸張する
底屈時には
・距骨は下腿に対し、
後方に転がり、前方に滑る
・完全底屈で前距腓靭帯、三角靭帯の脛舟部は
緊張
・底屈は背屈筋群と前方関節包を伸張
距骨の動きに関しては下図が分かりやすいです
Donald A.Neumann原著:筋骨格系のキネシオロジーP640 図を引用
さらに次は各靭帯について
ざっくり見ていきます
距腿関節に関与する靭帯は大まかに
内側側副靭帯と外側側副靭帯
に分けられます。
まずは内側側副靭帯から見ていきます!
内側側副靭帯は三角形の形に基づき
三角靭帯(Deltoid ligament)
と呼ばれており、大きく膨張しているのが特徴です。また三角靭帯は内果に付着しています。
三角靭帯は3つの線維が扇状になっており、
・脛舟部線維
・脛踵部線維
・脛距部線維(前脛距、後脛距)
という名称となっています。
それぞれの付着部は
・脛舟部:近位舟状骨粗面
・脛踵部:載距突起
・前脛距部:脛骨の内側結節
・後脛距部:距骨後面の隆起した結節
となっています!
次に、外側側副靭帯についてです。
外側側副靭帯は前・後距腓靭帯、踵腓靭帯を含む靭帯です。
内果が距骨の内側壁をブロックできないために、足部捻挫の多くは内反捻挫を引き起こしてしまいます。
外側側副靭帯を構成するのは、
・前距腓靭帯
(Anterior talofibular ligament )
・踵腓靭帯
(Calcaneofibular ligament)
・後距腓靭帯
(Posterior talofibular ligament)
という名称となっています。
それぞれの付着部は
・前距腓靭帯:距骨頸
ちなみに、前距腓靭帯は外側側副靭帯の中でも1番損傷しやすい靭帯。
Ex)ジャンプの後、誰かの足の上に着地
段差でうっかり足を踏み外す
↓
底屈を伴う足関節の過剰な内がえしor内転
によって靭帯損傷が引き起こされます。
・踵腓靭帯:踵骨外側の後下方
外側側副靭帯損傷の2/3は
前距腓靭帯と踵腓靭帯の両方に関係。
また、距腿関節・距骨下関節を横切り
内がえしを制限しています。
・後距腓靭帯:距骨の外側結節
この靭帯の機能は距骨を安定させることです。
特に足関節最大背屈時には後距腓靭帯により
距骨の過剰な外転を制限します。
以上がそれぞれの靭帯についての
大まかな内容です!
足関節の靭帯は短くて小さいものが多いですが
これらが働く事で私たちの歩行や運動時の足関節を安定させているんですね!
今回も最後まで読んで頂き
ありがとうございました!!
参考書
・Donald A.Neumann原著:筋骨格系のキネシオロジー P640
・石川朗、種村留美総編集:理学療法・作業療法テキスト 運動学