ptoutput’s diary

リハビリに関しての知識の共有やアウトプットをしていこうと思っています!

足関節の動作に関与する筋肉

 

こんにちわ!!

前回は足関節・足部の動きについてアウトプットさせて頂きました。

今回はその動作時に関与する筋肉をざっくりとアウトプットさせて頂きます!!

 

また、前回の記事を確認したい方はこちらをどうぞ!

 

ptoutput.hatenadiary.jp

 

では、早速、、、

 

前回の記事で足関節・足部は

底屈・背屈・外がえし・内がえし・外転・内転

方向に動くとお伝えしました。

 

人間は関節を動かす際は"筋肉"の収縮によって動作が行えるようになっています。

では、どの筋肉がどの動作に作用しているのかをみていきましょう!

 

まず、この図を見てください。

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 Donald A. Neumann原著:筋骨格系のキネシオロジー P666より引用

 

おおまかですがとても分かりやすい図となっています。

距腿関節軸より前方

足関節背屈

 

距腿関節軸より後方

 足関節底屈

 

また、距骨下関節軸より左側

足部の内がえし

 

距骨下関節軸より右側

足部の外がえし

 

にそれぞれ作用します。

 

ではまずは、足関節背屈に関与する筋群からざっくりみていきます。

 

足関節背屈筋群(足部の内がえし/外がえしにも関与)

・前脛骨筋

・長趾伸筋

・長母趾伸筋

・第三腓骨筋

 

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ちなみに、第三腓骨筋は長趾伸筋の一部であり、この筋の5番目の腱とみなされています。

 

これらの4つの筋肉は下腿の前方区画に位置しており、支配神経は深腓骨神経となっています。

 

足部の外がえし筋群(足関節の底屈にも関与)

・長腓骨筋

・短腓骨筋

 

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これらの筋は下腿の外方区画に位置しており、支配神経は浅腓骨神経となっています。

 

足関節底屈筋群(足部の内がえし/外がえしにも関与)

腓腹筋

・ヒラメ筋

・足底筋

・後脛骨筋

・長趾屈筋

・長母趾屈筋


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※に関しては

この腱の停止は、多くの教科書では母趾のみになっているが、これは第2‐3(4)趾にむかう腱がちょうど長趾屈筋腱の深側で分岐し、これが枝分かれした長趾屈筋腱に覆われて走るので見逃される

 とのことで、青色の筋は母趾のみに停止していますが、実際は右の丸図のように第1-3(4)趾に停止しています。

 

これらの筋は下腿の後方区画に位置しており、支配神経は脛骨神経となっています。

 

ざっくりですが、足関節・足部に関与する筋群をまとめてみました!

見にくい図もあるとは思いますが

最後まで読んで頂きありがとうございます!

 

 

参考書

・Donald A.Neumann原著:筋骨格系のキネシオロジー P665-669

・奈良勲、鎌倉:標準理学療法作業療法学 解剖学 第3版 医学書院 P278,280

足関節・足部の動きや可動域

 

こんにちわ!

今回は足関節・足部の"動く方向""可動域"についてやんわりアウトプットしていきます!

 

では、早速、、、

 

足関節・足部は

矢状面上で

背屈(dorsiflexion)(伸展)

底屈(plantarflexion)(屈曲)

 

前額面上で

外がえし(eversion)内がえし(inversion)

 

水平面上で

外転(abduction)内転(adduction)

 

という方向に動きます。

 

それぞれの可動域を以下に示します。

 

背屈と底屈

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 理学療法評価学 改訂第4版より引用

 注意点に膝関節屈曲位で行うと記載していますがこれは、2関節筋である腓の緊張の影響を与えないためです。

 

ちなみに、膝関節伸展位/屈曲位で足関節背屈角度を比較し、膝関節伸展位での背屈可動域制限が大きく、膝関節屈曲位での背屈可動域制限が小さい場合、2関節筋である"腓腹筋"の短縮or伸張性低下が予測されます。

 

また、双方ともに同じぐらいの背屈可動域制限を認めている場合は2関節筋の影響がない状態のため、腓腹筋の影響は無いと予測され、単関節筋である"ヒラメ筋"その他の足関節底屈筋の短縮or伸張性の低下が予測されます。

 

ですので、足関節の背屈可動域を

計測する際は背屈制限の原因が

どの筋なのかを把握するために

膝関節屈曲位or伸展位の肢位で

測定、比較するほうがいいかもしれませんね!

 

外がえしと内がえし

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理学療法評価学 改訂第4版より引用

ちなみに、、

外がえしという動きは

足部の回内・外転・背屈の複合運動

 

内がえしという動きは

足部の回外・内転・底屈の複合運動 

であり、いわゆる内反or外反というのは

変形を表す言葉として使用します。

 

 

外転と内転

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理学療法評価学 改訂第4版より引用 

 

今回もざっくりとアウトプットさせて頂きました。

次回は、各動作に関与する筋群についてアウトプットしていきます。

 

最後まで読んで頂き

ありがとうございました!!

 

参考書

・松澤正、江口勝彦著:理学療法評価学 改訂第4版 P41,52-53

 

足部の名称

 

こんにちわ!

今年度から理学療法士4年目となってしまいました、、

こんな私が4年目で大丈夫かと不安もありますが、マイペースに仕事と向き合っていこうと思います!

 

先日、先輩方と話していた時に「人間は歩く生き物、常に足と地面が接している状態。足底から感覚が入力されるし、足関節から運動連鎖も起こるし、足関節でバランスもとるからやっぱ足関節(足部)は大事よなあ」とおっしゃってて、改めて足関節について勉強しようと思いました笑笑

 

靭帯や関節とか細かく深掘りせず、まずは基本的なことからやっていこうと思います!

 

てことで、今回は題名にもある通り"足部の名称"についてやんわりアウトプットしていきます!

 

では、早速、、

 

みなさんは足部と聞いて、どの部分を思い浮かべますか?

大抵の方は下図の赤枠内部分を思い浮かべると思います!(右外側から見ています) 

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この、足部には

・前足部

・中足部

・後足部

の3つに分けられます。

 

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この各部分を構成している骨は

おおまかに以下のものになります。

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また、後足部と下腿後足部と中足部の間

中足部と前足部の間にはそれぞれ関節を構成しています。

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それぞれの関節構成は

 

 ①距腿関節(足関節)

 距骨と脛骨・腓骨で構成される関節

 

②ショパール関節(横足根関節)

 踵骨と距骨(後足部)、舟状骨と立方骨(中足部)で構成される関節

 

③リスフラン関節(足根中足関節)

 立方骨と各楔状骨(中足部)、中足骨底で構成される関節

 

となっております。

 

足部にはもっとたくさんの関節がありますが

今回はみなさんもよく耳にする上記3つのみにしました。

 

次回は、距腿関節(足関節)の動きや可動域についてアウトプットしていきます。

 

最後まで読んで頂き

ありがとうございました!!

 

参考書

・奈良勲、鎌倉矩子:標準理学療法学・作業療法学 解剖学 第3版 医学書院 P216,220

・Donald A.Neumann原著:筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版 P630,632

 

痛みの評価について

 

 

こんにちわ!

前回から、何度か疼痛に関連する内容をアウトプットさせて頂きました!

今回はその"疼痛の評価"についてやんわりアウトプットしていきます。

 

では、早速、、、

 

"疼痛"というものは主観的な症状のため、我々セラピストが客観的に評価するのはとても難しいですよね。

 

前回でも記載しましたが、

疼痛とは

「実際に何らかの組織損傷が起こったとき、あるいはそのような損傷の際に表現されるような不快な感覚および情動体験」

 

国際疼痛学会による 

 と定義されています。

 

骨折しようが、神経が損傷しようが、"痛い"という気持ちになったり、"痛い"体験や訴えがあればそれを「痛み」として捉えられるということです。

 

 

 

そもそも疼痛は

・感覚的側面

・情動的側面

認知的側面

の3つに分けられています。

 

感覚的側面とは

痛みの部位、強度、持続性など身体的な痛みの感覚

 

情動的側面とは

 怒り、恐怖、悲しみなどの不快に感じる情動

痛みにより引き起こされる感情の変化

 

認知的側面とは

過去に体験した痛みの記憶、注意、予測などから身体にとっての痛みを分析、認識すること

 

こういった側面があるから、患者さまの疼痛をしっかり評価していかないといけませんね。

 

では、疼痛の評価にはどんなものがあるのでしょうか?

 

まずは

"痛みの強さの評価"

①視覚的アナログ尺度(visual analogue scale:VAS)

10cmの横線上に痛みの程度を患者自身で記載してもらう方法

利点は"使用が簡便"、"除痛の状態をすぐに知れる"というところ。

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 理学療法評価学 改定第4版より引用 

 

②数値的評価尺度(numerical rating scale:NRS)

痛みの強さを0-10までの11段階として現在の痛みの強さを数字を用いて答える方法

これは2つの方法があり、

1つは、「初診時あるいは治療前の最大の痛みを10、痛みなしを0として現在いくらになったかという痛みの軽減度合いを評価する場合」

もう1つは、「今までに体験した最大の痛みを10とし、痛みなしを0として現在はいくつかという現在の点数を評価する場合」

 

この評価もVAS同様、使用が簡便で痛みの程度が患者さまに残りやすいのが利点

 

③表情評価スケール(faces pain rating scale:FRS)

6段階に変化した表情を描いた絵を見せて、痛みのない状態から今までの最高の痛み状態を、笑ってる顔から泣いてる顔に当てはめると、現在の痛みはどの表情に一致するかを選択してもらう方法

 

これは、言語や数字を十分に理解できない小児に用いられる。

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理学療法評価学 改定第4版より引用 

 

④簡易疼痛質問表(brief pain  inventory:BPI)

痛みの程度や痛みにより障害される気分や行動について10段階で評価する方法

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高橋直人,笠原諭,矢吹省司:痛みの客観的評価とQOLより引用 

 

つぎに

”痛みの心理社会的因子の評価”

破局的思考尺度(pain catastrophizing scale:PCS)

破局的思考の程度を測定するもの

3因子13項目からなり、自己記入式の質問紙で自分の状態にどのぐらい当てはまるかを各項目0-4点で測定。

高値になるほど破局化傾向が強いことを表す。

 

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高橋直人,笠原諭,矢吹省司:痛みの客観的評価とQOLより引用

 

そもそも、破局的思考(pain catastrophizing)とは、

痛みに起因する認知や情動を否定的に考えてしまうこと。

 

そして、破局的思考には3つの側面があります。

①反芻(はんすう)

痛みに関連した考えに過剰に注意を向けること

 

②無力感

痛みの強い状況への対処において無力になること

 

③拡大視

痛みの脅威を過大評価すること

 

こういった破局化は痛みに影響を与える心理的因子として、生活にも影響を及ぼしてしまうと捉えると、とても無視はできない評価ですね。

 

"痛み"によって身体機能面、心理面に影響を与えてしまうし、"痛み"は主観的なもので客観的な評価が難しいですが、今回の記事で少しでも痛みの評価方法の参考になればと思います。

 

今回も最後まで読んで頂き

ありがとうございました!!

 

参考文献

高橋直人,笠原諭,矢吹省司:痛みの客観的評価とQOL JpnJ Rehabil Med 2016;53:596-603

・水野泰行:慢性疼痛と破局化 Jpn J Psychosom Med 50;1133-1137,2010

・西上智彦,壬生彰:痛みに対する評価とリハビリテーション方略-臨床でのスタンダードを目指して- 保健医療学雑誌5(1)

 

参考書

・松澤正、江口勝彦著:理学療法評価学 改訂第4版 金原出版株式会社 P98-99

 

 

 

 

疼痛に関与する物質

 

こんにちわ!

今回は題名にも書いてありますが、

"疼痛に関与する物質"についてやんわりアウトプットしていきます。

 

では、早速、、、

 

 

疼痛が発生するには侵害受容器やポリモーダル受容器が刺激され、脊髄や視床を介して体性感覚野に伝達されることで引き起こされる。

といった流れでしたが、そもそもその受容器の興奮に関与する物質とはなんなのでしょうか?

ざっくりと記載していきます。

 

痛覚受容器に関与する物質

・ブラジキニン

・プロスタグランジ

・サブスタンスP

ヒスタミン

・CCRG

セロトニン

 などがあります。

 

では、それぞれの特性をみていきましょう!

 

ブラジキニン(bradykinin:BK)

・炎症時の痛みに最も関連深く、最強の発痛物質

・直接ポリモーダル受容器に働きかけ、濃度上昇に従い痛みを増強させ、興奮作用を増強する性質をもつ

・血管内皮細胞に対し収縮作用がある

・一酸化窒素の産生を促し、平滑筋の弛緩による血管拡張に間接的に作用する

・筋を最大張力の50%で持続的に収縮させると血中のブラジキニン濃度が上昇し痛みを引き起こす

 

プロスタグランジ(prostaglandin:PG)

・プロスタグランジン自体では痛みを誘発しない

・ブラジキニンに働きかけ、ブラジキニンの反応を増強させる

痛覚増強物質

 

サブスタンスP(substance P:SP)

機械的(圧)侵害情報の末梢から脊髄後角への伝達に寄与

・嚥下反射や咳嗽反射などの反射機能の調整に関与する神経伝達物質

・一次求心性ニューロンの一部に含まれる

 

CCRG

(carcitonin gene-related peptide)

・後根神経節の細胞に含まれる

・一次求心性ニューロンからサブスタンスPの遊離を促進することにより痛覚の伝達に関与

 

ヒスタミン

・全身の臓器・組織、特に皮膚や気道の肥満細胞に存在

・アレルギー反応や炎症メディエーターの1つ

血管拡張作用血管透過性亢進作用を有している

・低濃度では掻痒感を生じさせる

 

セロトニン(serotonin)

・発痛作用の他にブラジキニン痛覚増強作用がある

 

 

などなど、各物質には、"疼痛誘発"や"疼痛増強"、"他の物質の働きを促進させる"といった特性があるんですね!

 

何気なく"痛っ!"と感じている時に私たちの身体ではさまざなことが起こっているんですね、、

 

今回は疼痛に関与する物質についてその特性ををざっくりアウトプットさせて頂きました!

分かりづらい内容ですいませんが、

最後まで読んで頂きありがとうございます😊

 

#ブラジキニン#ヒスタミン#サブスタンスP#プロスタグランジン#セロトニン

一次痛と二次痛

こんにちわ!

前回は痛みの受容器や発生メカニズムについてアウトプットさせて頂きました。

今回は一次痛・二次痛についてアウトプットしていきます。

 

では、早速、、、

 

そもそも、なぜ一次痛と二次痛に分けられているのか?

一次痛・二次痛とは?

 

"侵害刺激を受けて発生する痛みには主に、伝達・感知時間の差"により一次痛と二次痛に分けられています。

その分類は以下になります。

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理学療法ハンドブックから引用

簡単にいうと

一次痛(fast pain)

侵害刺激の入力直後に発生するチクッとした鋭い痛み速くて識別性の高いのが特徴。

 

二次痛(slow pain)

一次痛の数秒後に遅れて感じるズーンとする鈍い痛み遷延性で識別性の悪いのが特徴。

 

 

では、この痛みを感じる時間に差が出てくるのはなぜでしょうか?

それは、痛みを伝達する神経線維が関係しています!

 

その神経線維とはAδ線維C線維です。

これらは侵害受容ニューロンという、痛覚受容器の興奮を脊髄、大脳まで伝達する神経で、一次ニューロンにあたります。

 

この2つの線維をざっくりみていきましょう!

Aδ線維

・直径5μm以下

・伝導速度30m/s以下の細径有髄神経

・末梢の自由神経終末に受容器をもつ

・皮膚表面にはポリモーダル受容器、深部組織には閾値機械受容器が存在

・侵害刺激情報を瞬時に中枢へ伝える

一次痛に関与

 

C線維

・直径1.5μm以下

・伝導速度2m/s以下無髄神経

・自由神経終末にはポリモーダル受容器が存在

・侵害刺激情報を数秒かけて中枢へ伝える

二次痛に関与

となっています。

神経の直径や伝達速度の違いから、痛みを感じる時間にわずかな差が出ているんですね!

 

今まで、痛みの受容器や発生メカニズムについてアウトプットしてきましたが、そもそも、痛みを発生させる物質は何なんでしょうか?

 

ということで次回は"痛みの物質"についてアウトプットしていきます!

 

今回も最後まで読んで頂き

ありがとうございました!!

 

参考書

細田多穂、柳澤健編集:理学療法ハンドブック 改定第4版 第1巻 理学療法の基礎と評価

 

 

 

 

痛みの発生メカニズム

こんにちわ!

前回は"痛みの種類"についてアウトプットさせて頂きました。

復習になりますが、痛みの種類には

①侵害受容性疼痛

神経因性疼痛

心因性疼痛

に分類され、さまざまな刺激や神経系の損傷により生じるとお伝えしました。

では、その痛みを発生させる受容器やメカニズムは何なんでしょうか?

ということで、今回はその続きで"痛みの発生メカニズム"についてアウトプットしていきます。

 

では、早速、、、

 

以前にも出てきた、機械的刺激熱刺激化学的刺激などの侵害刺激。

これらを受け取る痛覚受容器は

①高閾値機械受容器

②高閾値熱受容器

③ポリモーダル受容器

の3種類があります。

 

特にポリモーダル受容器はよく聞くワードではないでしょうか?

では、それぞれみていきます。

 

①高閾値機械受容器

(high threshold mechano receptor)

 

・強力な機械的侵害刺激(転倒や捻挫などに痛みを引き起こす刺激)に反応し、刺激が強くなるほどその興奮性が高まる

・早くて識別性の高い一次痛に関与する受容器

・生体に逃避反射を引き起こす

Aδ線維により脊髄後角まで伝達

 

②高閾値熱受容器

熱刺激により反応

・火傷後の痛みの増強に関与している可能性も考えられる

Aδ線維により脊髄後角まで伝達

 

③ポリモーダル受容器

(polymodal receptor)

・多くの(poly)様式(mode)の刺激に反応する受容器

機械的刺激、化学刺激、熱刺激のいずれにも反応

皮膚筋膜靭帯関節包内臓血管など全身に広く分布

・少し遅れて反応する鈍くて識別性の悪い二次痛に関与

 

ポリモーダル受容器の特徴

侵害的な刺激を同じ強度で同じ部位に繰り返すと

閾値の低下

②刺激に対する反応性の増加

③受容野の拡大

④自発放電の増大

などを特徴とした感作を生じる。

 

どういうことかというと、

捻挫をした直後はまだ荷重をかけれるほどの痛みでも時間経過に伴い自発痛が大きくなり荷重できないほどの痛みに変わっていくこと。

 

ちなみに”感作”とは

繰り返される刺激により、それに対しての反応が徐々に増大していくものといわれています。

これらの受容器が反応することでさまざまな痛みが生じているんですね。

 

では、次に痛みの伝導路について説明します。

痛みの伝導路には外側系(感覚系)内側系(情動・認知系)があります。

 

外側系の伝導路は

受容器からの刺激→脊髄後角→白交連を通って交叉→反対側側索を上行→視床(後腹側核VP、後核群PO)→体性感覚野

となっています。

この伝導路を外側脊髄視床といいます。

この伝導路は一次痛の伝達経路であり、主に温痛覚の経路となっています。

また痛みの「感覚-識別」に関わる情報を伝達します。

痛みの「感覚-識別」とは、痛みの部位強度持続性など痛みの種類を識別します。

 

次に

内側系の伝導路は

受容器からの刺激→脊髄後角→白交連を通って交叉→反対側側索を上行→視床(内側下核SM、中心外側核CL(MD核を覆うように存在している))→島、扁桃体、海馬、前頭前野など

となっています。

この伝導路を内側脊髄視床といいます。

 この伝導路は二次痛の伝達経路であり、身体にとっての痛みの意味「情動」「認知」の情報を伝達します。

また、大脳辺縁系に作用することから、痛みに伴うイライラ感や恐怖、不安感などの不快感を引き起こし、血圧上昇頻脈などの症状を引き起こすこともあります。

 

上記2つの経路を下図に示します。

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 理学療法ハンドブック参照

 

痛みにより身体的・精神的なところまで影響を及ぼすと考えると痛みのメカニズムを把握することはとても重要なことではないかと思います。

 

今回も最後まで読んで頂き

ありがとうございました!!

次回は今回の記事に何度か記載した

"一次痛"と"二次痛"についてアウトプットしていきます。

 

参考書

細田多穂、柳澤健編集:理学療法ハンドブック 改定第4版 第1巻 理学療法の基礎と評価

・野村嶬編集:標準理学療法学・作業療法学 解剖学 第3版